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コラム

杉崎塾 Vol. 1 〜毛髪科学T〜

こんにちは、開発部の杉崎と申します!新人の美容師の方向けに今後数回、毛髪についての基礎的な事を一緒に勉強していけたらと思います。
毛髪を扱う美容師の皆様にとって、毛髪がどんな構造をしているのかを知っておく事は必要不可欠です。これから、毛髪がどんな構造をしており、各部分ごとにどんな役割を持っているのかを説明したいと思います。
●毛小皮(キューティクル)
毛表皮、あるいはキューティクルと呼ばれるウロコ状の硬い無色透明な薄い膜で、その縁は毛先に向かっており、根元から毛先に向かって竹の子の皮のように重なっています。この毛小皮の役割は、ブラッシングやコーミングなどの外からの刺激や毛髪へ入り込もうとする薬品などを防ぐことで、毛髪に光沢も与えます。1ミクロン(注1)ほどしか厚さがない毛小皮でありながら、薬品や摩擦に耐える、強くて丈夫な性質を持っています。また、健康な毛小皮は油となじみやすい性質(親油性)を持っています。毛小皮の毛髪に占める割合は10〜15%であり、この量が多いほど、毛髪は硬くなります。
●毛皮質(コルテックス)
毛髪の大部分はこの毛皮質であり、85〜90%を占めています。言い換えれば、この毛皮質が毛髪の本体で、その他の部分は保護的な役割を果たしていることになります。毛皮質はタンパク質でつくられた糸状の細長い繊維がたくさん寄り集まって、少しよじれてバラバラになるのを防いでいます。細胞同士は繊維状ケラチンで互いに強く連結されています。一方、繊維の横方向は繊維のように硬くならなかった比較的軟らかいタンパク質(マトリックス)が詰まっていて、これがセメントのような役割をつとめ、さらにバラバラになり辛くなっています。このような構造のため、毛髪は横には切れにくく、縦には比較的裂けやすくなっています。また毛皮質は顆粒状のメラニン色素を含み、水となじみやすく(親水性)、薬剤の作用を受けやすいので、毛髪の性質を最も左右している重要な部分です。
●毛髄質(メデュラ)
毛髪のほぼ中心にある比較的軟らかい部分で、繊維状にならない個々の細胞が積み重なるようにできているといわれ、細かい空気の泡を含んでいることがあります。毛髪によっても、鉛筆のように繋がっていたり、ところどころ欠けていたり、あるいは全くないものもあります。直径が0.09mmくらいの太い毛髪にはほとんど全部に毛髄質がありますが、0.07mmくらいになると、毛髄質のあるものは10本に3本くらいの割合です。
毛髪は大きく、上記の毛小皮、毛皮質、毛髄質に分けられます。では次に、毛皮質を構成している組織について詳しくご説明いたします。
◆プロトフィブリル
毛髪中のケラチンタンパク質は、酸性ケラチンモノマーと塩基性/中性ケラチンモノマーの2本のヘテロモノマー(異型単量体)より形成されるダイマー(二量体)が基本構造です。さらに、このダイマーが逆平行で2本が絡み合ってテトラマー(四量体)を形成します。このテトラマーがプロトフィブリル(原繊維)と呼ばれています。
◆ミクロフィブリル
8本のプロトフィブリルが絡み合って、ミクロフィブリルが作られます。ミクロフィブリルは直径10ナノメートル(注2)、長さが200ナノメートル以上になります。
◆マクロフィブリル
ミクロフィブリルの数本〜数十本が絡み合い、マクロフィブリルを作ります。この段階になると、絡み合う分子の数は皮質細胞の条件によって変化し、規則性はみられません。
◆皮質細胞
皮質細胞は長径100ミクロン、短径2〜6ミクロンの紡錘形の細胞で、毛幹部では死んで萎縮した細胞残渣(残った細胞の部分)として存在します。その中には結晶領域のフィブリル(繊維状ケラチン:分子量約80,000)と非結晶領域のマトリックス(不規則に配列しているケラチン:分子量約10,000)が含まれ、メラニン顆粒や細胞核の残骸もみられます。細胞膜は消失し、その残渣が細胞膜複合体として皮質細胞同士を接着し、毛皮質としての組織構築に寄与しています。
(注1)ミクロン → 1/1000mmのこと
(注2)ナノメートル → 1/1000000mmのこと
いかがでしたでしょうか?サロンワークを行なう上で、その対象である『毛髪』を知ることは、様々なテクニック、様々な薬剤などをマスターする近道となります。今回の内容が、その助けになれば幸いです。